出発の朝

 翌日の早朝、台北駅に向かった。Yajio達も、歳のせいかやけに早起きだ。朝食を摂り、切符を買っても、まだ時間がある。

 それならばと言うことで、昨日買った高鉄の切符を、1つ前の列車にチケットチェンジしてもらった。元々細かいスケジュール等は無いのだから、この辺は気楽なもんだ。

 台湾の新幹線は定刻通りに出発した。新竹までは約30分の乗車なので、食糧等は持ち込まなかったが、車内販売が来たので何があるのか見てみると、何と以前まで無かったビールがあるみたいだ。

 別に朝から飲みたい訳では無かったが、若いお姉さんに聞いてみると、ビールの現物は積んでなく私が後でお持ちしますとの事だった。

 そこまでして、飲みたい訳でないので、
『要らない』と言うと、彼女は
『遠慮しないで、直ぐ持ってきますから』
と、健気な彼女の対応に断れなくて、お願いする事にした。

 しかし、ビールが席に届いたのは新竹駅に着く直前だった。結局、車内では飲まずに、そのまま持って降りた。

 1本前の列車に変更したので、予定より30分早く着いた。高鉄の新竹駅は、台鉄の新竹駅とはまるで違うところにある。
 
 日本でも、新幹線の駅が在来線の駅と離れている場合があるが、日本ではこのような場合、後から出来た駅に『新』とかを着けて区別するのだが、ここは在来線と同じ『新竹』となっていた。もっとも、『新新竹』と言うのもおかしいか?

 ここでの在来線の乗換駅は、『六家駅』と言う。高鉄と台鉄駅は隣合わせで乗換え通路があるが、全くの別棟である。

台湾の新幹線はとてもきれいで、良くメンテナンスされているようだ。

『六家駅』

 『六家駅』は高架駅で、ここから、『新竹駅』までが六家線である。
 『六家駅』から『竹中駅』までは、電化された複線の高架線で、1区間だけの全く新しく出来た盲腸線である。
Yajioの感想は、
 『それにしても、何も無いところに、随分と立派な物を造ったな、相当金も動いたんだろう?いや、まだたまだ、これから沢山金が生まれそうな、そんな予感が漂っていた』

 そしてやっぱり、ここから直接『内湾駅』には行けないのだった。『内湾駅』に行くには、次の『竹中駅』で、本当の内湾線に乗換えて行くのだ。
 時刻表やネットで調べてた時、『何か、面倒くせえな!』と思ったが、実際も面倒くさかった。

高鉄『新竹駅』は、ガラス張りの壁面と、吹抜けの天井を翼で包み込む、とてもも洗練されたデザインの駅だ。 
六家線の始発駅となる、台鉄の『六家駅』も新しく出来た駅だ。
それぞれの駅は、全く別棟になっているが、連絡通路で接続している。
ここからは、新竹方面にしか行けない。内湾方面へは、次の竹中駅で乗換える。
ここから毎時間、17分と47分の30分間隔で運行している。

内湾までは片道34元なので、単純な往復だけでは1日乗車券ではもったいない。
 
この先に線路は無く、完全に行き止まりになっている。
周りには高層マンションが立ち並び、駅前のパーキングには、バイクが沢山、駐車してあった。
 
六家線は、電車だった。朝の8時47分の列車だったが、ガラガラ゛たった。