Dongsin Hotel  

 東新ホテル、ここは南浦洞にある格安ホテルで、最高の立地にある。しかし長所はそれだけ、他は期待しないで下さい。と、大体どこのサイトも、こんな感じで紹介されている。
 何しろ、釜山きっての繁華街、南浦洞に2人で1泊4,000前後で泊まれるのだ。他に何を期待すると言うのか?

 大体、ここいらに泊まる人はホテルでじっとしてはいないだろう。朝から晩までアクティブに動き回る人達だ。バスルームが少々古くても、外のきれいなサウナで汗を流せば良い。フロントが低血圧の不機嫌な姉ちゃんでも、特にサービスは期待していないので気にしない。
 部屋の窓だって、どうせ早朝からの行動で、夜中に帰ってくるんだから最低限、換気さえ出来れば景色等まるで必要なし。

 Yajioも最初はそう思った。南浦洞には数回、泊まった事があるが、この辺りは昔からの繁華街だけあって、どこのホテルも古くて小さなビジネスホテルが多い。しかし、それを補う立地と料金はとても魅力だ。

 しかし、『東新ホテル』お前はそれ以上に、本当に良くやってくれた、Yajioは褒めてやる。
 まず、ここのホテルの立地、確かに南浦洞にあるがこれが分かりにくい。何しろエントランスが路地の奥まったところにあるのだ。
 そしてバスルーム、Yajioがあれ程バスタブを希望したのにシャワーのみ、窓も幾ら景色は気にしないといっても、圧迫感いっぱいのドン突きの裏路地。最初はどうなる事かと思った。

 だが、フロントのおじさんこの人が、とても優しくて良い人なのだ。まずYajio達はタクシーで行ったが、案の定ドライバーは分からなくTELをした。すると、おじさんは表の通りで待っていてくれた。
 タクシーを呼んでもらったら、おじさんはやっぱり通りの外までタクシーを呼びに行ってくれた。(もちろんTELで呼んだのだがここは本当に分かりにくいのだ)
 部屋にPCがあるが起動しないのでTELでお願いしたら、直ぐ飛んできて、日本語のYahooを開いてくれた。
 携帯の充電をしたいと言うと、大きなトランスを引っ張り出してくれた。Yajioが220Vには対応しているがプラグが合わないのだと言うと、アダプターを貸してくれた。
 Yajio達は早朝の飛行機だった為に、モーニングコールを頼んだら、
『お早うございます。起きましたか?』
何と!!あのおじさんの肉声だった。このおじさんはこれらを全てを1人でやってくれたのだ。
『チョットあんた、一体何時間、働いてんの?それとも双子?』
 どうしても気になって、Yajioの連れがおじさんに聞いてみると、
『24時間働いています。』
と、言った。
 ホテルのシフトが普通どんな物なのか知らないが、恐ろしく働き者のおじさんだ。この他にもメガネ屋さんの場所とか、とにかく丁寧に教えてくれる。
 
 しかも、会話は全て日本語でOK、対応は何のストレスも無く何時でもスマイル。このおじさんは、日本人が何を求めているのか、どうすると不愉快になるのかを知り尽くしているのだ。

『あんた、有名ホテルチェーンのコンシェルジェにも引けをとらないぞ!!』
 しかし、顔は京都の小ずるいお公家さんみたいだった。しかし嫌味な感じじゃ無く、人懐っこい感じだった。言葉の後に『何々でおじゃる』と付けた方が、きっとうけると思うぞ。

ホテルのエントランスは、路地の奥にある。夜だと結構暗いが、治安は良い。 
廊下は、きれいに掃除してある。
ドアを開けると玄関のような靴を脱ぐスペースがある。
 
窓からの景色は、どんづまりの袋小路のようだ。
この部屋は何とキッチンが
付いていた。
バスルームはバスタブ無しのシャワーオンリー。 
ベットはS+W PCとTVがあるが、TVはベットの正面にしてほしかった。
床はオンドル式で暖かい。この部屋は別にEXベットを入れて、4人で使用出来る。


Yajioの感想

 ここの利用者は多分インターネットで情報を見て予約した人が殆どだろう。いくら格安ツアーでもショボ過ぎる。だから旅行社には売り込めない。それにコミションもバカにならないし。
 
 だが、ここのオーナーは日本人のお客が欲しかった。だから日本人を徹底研究したのだ。それこそ研究の為に犠牲になった日本人は大勢いただろう。やがて、遂に日本人の特性を見切ったのだ。そして、現在のあのスタイルになったのだ。
 
 施設は、どう足掻いてみても今以上拡張する事は出来ないので、現在の規模と施設で出来る事をする。

 まずは、客室の美化だ。館内のリニューアルを従業員が休みを返上してDIY。とにかく日本人はきれい好きだ。バスルームやタオルに髪の毛が付いているなんて問題外だ。だから部屋だって日本の温泉ホテルのように玄関で靴を脱いで上がる方式にしてみた。
 
 そして、接客。日本人は過剰な接客は好まないが、頼んだ事に対する素早い応答を求める。いわいるせっかちなのだ。だから迅速な対応はもちろん、そこにスマイルもプラスした。
 
 これらを金を掛けずにオーナーの情熱と従業員の意識改革だけでクリアーした。しかし、韓国人と日本人の構造は180度違うのでとても難しかっただろう。
 とくに見積外のスマイル等、彼らの意識からは100億光年外の思考だ。まさか日本のスパルタ旅館コンサルタントにでも依頼したのか?
 
 Yajio達が利用した部屋は、ツインAタイプという部屋でベッドはS+Wだったが、バスタブが無く、シャワーオンリーだった。
 部屋には日本式に靴を脱いで上がり、床がオンドルなのだ。もちろんスリッパ、ドライヤー、冷蔵庫(中は空)、浄水器(水、お湯)、ティーセット等必要な物は殆ど揃っている。

そしてPCが置いてあり(殆どの部屋に有るそうだが、PCの無い部屋もLANは来ているようだ。もちろん無料でネットに繋がる)、なんとYajio達の部屋にはキッチンまで着いていたのだ。

 これらの設備は絶対日本人を対象とした物だ。日本人は部屋をきれいに使う事を知っているから、この価格でこの付帯のサービスが可能なのだ。
 と、Yajioが勝手に想像してみました。そのくらい良かったのだ。

 細かい事を気にするとキリがないが、とにかく、この立地でこの価格だ(Doubleで3000円前後、Twinで4000円前後)誰にも文句は言わせん!!1度利用してみてくれ。

 それと、両替については、Yajioはここでしなかったので出来るかどうか分からないが、この界隈は銀行以外にも両替所があるので困らないと思う。