国境の街で
国境を目指す
韓国に行ったら国境を見たい。日本では有り得ない風景。韓国旅行を決めたときからずっと決めていた。しかし実際にソウルに来て、どこに行けば国境が有るのか分からない。朝鮮半島の国境といえば軍事境界線。停戦してるとはいえ今も緊張している地域だ。
そんな場所に観光目的で行ってもいいものか。初めての時は日本での情報も少なかったし、『ホントに行けんの?』と思った。
今では臨津閣、統一展望台といえばフリーで行く国境ツアーの定番だが、我々が始めて来たときは、日本人が個人でそこまで行く事はめったに無いらしく、現地旅行会社に聞いてもそれだったらツアーで行けと、まるで相手にされなかった。
ホテルのロビーに置いてあった韓国全土の大雑把な地図をみて国境を探す。『有った38゜線』、ぎりぎりまで列車で行けるみたいだ。
とりあえずソウル駅に行って聞いみる。さっそくツーリストインフメーションで
『国境に行きたい北朝鮮の見える所』
とお姉さんに伝える。
『OK!それだったら、汽車に乗って金村まで行け。そこには統一展望台がある。おまえ等のリクエスト通りの景色がそこにはある』
お姉さんは自信満々で答える。多分、だってハングル、イングリッシュ、日本語ミックスの会話なので我々は都合の良い様に解釈する。ただ場所の固有名詞、列車の時間等、ハングルでメモに書いてもらう。
いよいよ出発
切符売場でさっきのメモを渡して切符を買う。ソウル駅は2階に切符売場、待合室、改札口がありそこに銀行、レストラン、売店等が有る。
韓国の改札は時間になるまで開かない、改札が開けば日本と同じように切符をみせてホームに入る。ソウル駅のホームは1階にある。
ビールとスルメを買って列車に乗り込む。もちろん列車の中でも車内販売が頻繁にまわって来るので車内で買うことも出来る。
終着駅に到着
列車に乗って1時間弱で金村駅に到着。向かい合わせの座席のお姉さんに国境の見える街はどこかと尋ねる。しかし通じない、でも漢字で金村の文字間違いないこの駅だ降りるぞ。
改札に向かうとさっきのお姉さんが駅員と何か話している。すると駅員が何か叫びながら、物凄い勢いでこちらに走ってくる。俺達は何かしては行けない事を彼女にしてしまったのか?
駅員は俺達を制して今乗ってきた列車を指差してあれに乗れと言ってるようだ。なぜだか分からないが、Yajio達はUターンして今乗ってきた列車に再び飛び乗る。そしてソウルから1時間で終点の『ムンサン』に着ついた。
ムンサン駅は、以前までこの路線の終点だったが、最近では臨津江駅、更にその先の都羅山駅まで開通してるし。分断前は、もちろん北朝鮮まで乗り入れていた。
とりあえずタクシー
さて、これからどうする。何時もこのパターンだ。行くだけ行ってその先が分からない。駅前には客待ちのタクシーが沢山いる。適当な車を選んで
『国境の見える所まで行ってくれ』
『はいよ!』
タクシードライバは、慣れた感じて車を走らす。
ムンサンの街は意外と狭くすぐに郊外にでる。ガガラにすいた高速道路を北に向かう。多分。何時も都合の良いように解釈する。
しばらくして臨津閣に到着その後、統一展望台そして臨津江沿いのボーダラインを走る。
ドライバーはハングルオンリーで言葉は通じ無いが我々の意図する所は、ちゃんと心得ていて。北向けの放送を流すスピーカや、対岸を指差しあっちが北朝鮮。あそこに韓国軍のトーチカ等と迷彩を施した山の中の施設を目ざとく見つけ説明する。
そしてムンサン駅に到着。約3時間ちょっとの国境ツアーだった。始めに何人かにリサーチして個々に違った答えが返ってきたが、最後は上手くそれらが1つになってよかった。
日本に帰って
日本に帰ってから分かった事だが、国境の見える主な観光スポットは幾つか有って、ソウル駅のインフメーションのお姉さんはそれを統一展望台と解釈したらしく、それで一番最寄の『金村駅』を教えてくれたようだ。
列車のお姉さんは、最初Yajio達の言ってる事が通て無いのかと思ったが、少し理解できたらしく、それを親切にも駅員に話したらし。
それで駅員はその頃、個人で行けるギリギリの国境、臨津閣のある『ムンサン駅』に行けと行ったのだった。
実は初めて行った時、臨津閣、統一展望台、自由の橋、鉄道分断点の碑、等全く知らなかった。それらの場所が何処だったのか何の為にあるのか後で日本に帰ってからわかった。
無謀にも予備知識もガイドブックも無しに出かけた国境ツアーだった。それ以来もっと朝鮮半島の事を知り歴史や背景を理解した上で出かけたらと三度、この地を訪れたが未だにハングルは読めも、話せも、書くことも、出来ず現地の人に助けてもらっている。
再び金村に
最後に行った時は金村から先は工事中で終点が『金村駅』だった。その時初めて『金村駅』に降りたが『ムンサン駅』よりこっちの方が大きな感じがした。
駅前には幾つかの定期観光バスが有り国境の見える主な観光スポットを効率よく周るコースもある。
我々が利用したのは半日観光のコース。(臨津江を渡って行く都羅山展望台と第3トンネル、臨津閣、古いお寺)で一人千円位だった。
バスガイドが同乗しているがハングルオンリーなので何を行っているのか全く分からなかったが、このガイドさんはまだ十代で、我々が日本人だと分かると自分は日本語を話せなくて上手くガイド出来なくて申し訳ないとしきりに謝っていた。
そして観光スポットで降りるたび我々を気遣ってくれ、最後にその地域の日本語のパンフレットを買ってくれ自分がガイド出来なかった分これを読んで下さいと、我々にプレゼントしてくれた。何時もながら韓国の人達の親切さには本当に感謝します。
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