鷺梁津水産市場

行き方

 ソウル市内には鷺梁津水産市場(ノリャンジン スサンシジャン)という魚市場がある。 場所は江南地区の汝矣島周辺にある。
 
 行き方は電車でも、タクシーでも簡単に分る。電車ならソウルから地下鉄1号線(国鉄)で漢江を渡って1つ目の駅が鷺梁津だ。
 出口は1つしかないから迷う事はないと思うが、左側に線路を渡る歩道橋がある。その歩道橋を汝矣島の63ビルディングの方向に行くと、市場の建物に直接入れる。

 市場は線路の向こう側にあるのだ。裏口みたいな入り口だが、駅を降りるともう生臭いにおいがしてくるので直ぐに分かると思う。

 タクシーで行くならドライバーに鷺梁津水産市場と言えば直ぐ分かる。当たり前だが、少し詳しく説明すると、明胴辺りからだと漢江路を江南方向に下って、漢江大橋を渡ってオリンピック大路を汝矣島方向に右折すると路沿いの左側に水色の建物が見えてくる。そこが市場だ。
 
 こちらが市場の正面なのか業務用のトラックが沢山、止まっていた。帰りのタクシーもここで拾うことが出来る。

初挑戦

 ここの市場は本格的な魚市場で、地元のプロが仕入れに来る場所で、地方のマーケットとは違う。感じとしては築地の魚河岸に似ている。(もちろん、築地のほうが何十倍もでかいが)
 
 本来はプロが仕入れに来る市場なのだろうが、観光客に小売もしているが、とにかく客引きが強くて日本語でガンガン話しかけてくる。買う前に必ず値段の交渉をしする事。

 Yajioも早速挑戦する。目の前の平目をどれにしようか真剣に選ぶ。あまり大きいと他の物が食べられなくなるので、二人で行く時は大きさ等お任せにしないでじっくり選んで価格の交渉をした方が良い。
 
 もちろん値段は目方が多い方が高くなる。永宗島ではボラれることなどまず無いと思うが、ここはお店によって価格はかなり違う。しかも相手は、日本での魚の相場なども熟知しているので、結構手強いぞ。
 
 料金は平目、ソイ、あわび、全て小さめ永宗島の半分位で六千円位、やっぱりその場で下ろして地下に有る食堂まで運んでくれる。
 そこでメウンタン等の調理代で二千円位、永宗島より若干高め、あまり綺麗とは言えないがソウル市内なので行きやすい。

これが正面の入り口。
目の前の道路は自動車専用
なのでアクセスは車のみ
電車で来ると線路を陸橋で渡ると、市場の建物の
3階部分に入れる。
建物中はこの通り魚市場だ。
ワクワクしてきたぞ!!
築地の魚河岸と同じで、どの店も専門店化されている。
貝、海老、蟹、鮮魚等何軒か周って仕入れる。
貝類の中でも鮑は高級品で高い。魚では石鯛が高く、平目は日本と比べてとてもお買得だ。

あまり値段ばかり気にしないで、本当に食べたい生きの良い物を選ぼう。
 仕入れた魚は、同じ建物の地下か2階の店に持ち込んで
調理してもらう目印はこの看板。
よーおく見てくれ!みんな左の三文字が看板に入っている。
 左の
赤い字が刺身の意味で、の二文字で薬味だ。
こういった店を『ヤンニョンチッ』と言うらしい。
ここでは刺身を食べる為の薬味代と、
メウンタン、飲物等の料金と調理代を支払う。

もうひとつこの文字が入った看板の店がある
 これは普通の
刺身店で材料を持込まなくても刺身が食える。
ヤンニョンチッ(薬味店)
 せっかく市場に行ったん
だから、食材を仕入れて
上の看板の店で
調理してもらおう。
最後のメウンタンは
最高にうまいぞ

 刺身だけじゃなく鍋物の
調理や 貝、海老等は
焼いてくれる。

何事か!!

 Yajio達が行った時、信じられない光景を目撃してしまった。現地のガイドに連れた日本人10人位のグループが、冷やかしで生簀の鯛を指差して何やら言ってた。
 
 すると、この店のオヤジは指差した大きなその鯛を、網ですくいすかさず頭に包丁を入れてしまった。この日本人グループは初めからここで、買い物するつもり等無いらしく、ただ見学に来ているだけのようだった。
 
 Yajioが見てもそれは良く分かる分けで、店の人間はプロなのだから目の前の日本人が客か冷やかしかは、当然のごとく判断がつく分けだ。

 しかしここは韓国だ、そんな常識は通用しない。
『お前が注文したから、この鯛を絞めたんだ!!今更いらないと言っても、もうこの鯛は売物にならん。責任取って買い取れ!!』
と、店のオヤジが叫んでいる。
 
 その日本人は無視して行こうとすると、店の中から何人かで出来て、日本人の腕を掴み、そのグループのガイドになにやらハングルで怒鳴り付けている。
 ガイドがなにやらそのグループのリーダーと相談して、その日本人は幾らかのお金を払った。もちろん包丁を入れた鯛は持ち帰る事無く金だけ払って帰っていった。

『ヤダ、ヤダ。ここは観光スポットじゃ無く、プロの市場なのだから冷やかしで、来られるのは嫌なのは分かるが、あの強引さはなんだ。日本の歌舞伎町のキャッチセールスだってその場で絞めるなんて事しねーゾ』

 それとも彼等は日本人グループに有りがちな酔っ払い状態で、よっぽど酷い冷やかしをしたのか分からないが、
Yajioは幸い未だかってこんな目にあった事は無いが、いきなり指差した魚に包丁を入れられ、これを買い取れとやられたら、一気にこの国が嫌になるゾ。きっとあの人達は二度とソウルには来ないな。

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