カンジャンケジャン
とりあえずチケットはゲットした。いよいよ今回の旅のメインディナーの『カンジャンケジャン』食べに行く。着いたたその日の夕食がメインという旅行もあまり無いが、今回はあえてそうする。
『カンジャンケジャン、なにそれ?普通のケジャンと違うの?』
最初そのケジャンをインターネットで知ったときそう思った。
今まで韓国で『ケジャン』は何回か食べた事があるが、どうやらケジャンにはもうひとつのバージョンが存在するらしい。
普通ケジャンといえば、渡り蟹をあの韓国独特の辛味噌に漬けたものだが、『カンジャンケジャン』は味噌では無く醤油に漬けた蟹らしい。
よくガイドブック等で韓国料理の珍味としてケジャンが紹介されている。写真を見ると、とても美味そうなので、実際に韓国に行った時に食べてみた。
確かに美味いんだけどチョットしつこいような気がする。生の渡り蟹なのだからもうチョット、さっぱりした味を想像していたのだが、実際は蟹を味噌に漬け込んでいる間に熟成するのか、Yajioにとってはかなり濃厚な味だった。それで、『カンジャンケジャン』を知ったときこれだと!思った。
やっぱり日本人なら醤油だ。たしかに味噌も日本人には馴染み深い調味料であるが、Yajioは味噌より醤油が好きだ。ラーメンだって味噌より醤油の方がさっぱりしてYajioの好みだ。
それなら蟹だって醤油に漬けた方がさっぱりしてるに決まっている。
それにインターネットに出ていた情報によると、蟹味噌のたっぷり入った蟹の甲羅に、ご飯を詰めて食べる蟹味噌の混ぜご飯は最高に美味いらしい。
今まで食べた『ケジャン』はあらかじめ食べやすいように甲羅を取ってぶつ切りしてあったので、そんな食べ方した事も無かった。
確かに、渡り蟹は小さくて、毛蟹、ずわい、タラバ等より実が少なく食べずらいのだが、その味噌はとても濃厚でYajioも日本で味噌汁等でよく食べる。
それなら、醤油に漬け込んだ蟹味噌に温かいご飯を入れて食べれば美味いに決まっている。インターネットでそんな事を想像していたら、もう実際に行って食べるしか無い。そんな訳で今回の旅行に成ったわけだ。
だから、もう行く店は決まっている、その店は『プロカンジャンケジャン』よくネットでも紹介されている店だ。事前に仕入れた情報によると、『カンジャンケジャン』は、1人前30000ウォンらしい。蟹が何杯入ってのか知らないが高すぎる。言ってみれば、たかが渡り蟹の醤油漬けだ。
本当は日本であまり有名になった店には行きたくないのだが、『カンジャンケジャン』を食べられる店は特定の地域に密集しているらしい。その場所は地下鉄3号線の『シンサ』周辺の横丁だ。
地下鉄の駅を地上に出ると、どの通りも『ケジャン』の店ばかり、どの店が本当に美味くて、安いのかなんて、初めて行ってわかるわけも無い。
それなら、今まで行った人の口コミを信じて手っ取り早くすまそう。なにしろYajioは何時もながら金も無いが時間も無いのだ。
予定通りに『プロカンジャンケジャン』を目指す、途中他の店の客引きも全て振り切りただひたすら。
プロカンジャンケジャン
店に入った第一印象は、『薄暗くて、なんだかショボイ店だな、大丈夫か?』て感じだ。だいたいソウルの食堂はどこもそんな感じなのだが、インターネットのソウル情報でカンジャンケジャンの店と言えば、みんなこの店を紹介していたので、もっと日本人が入りやすいような店を想像していたのだが、本当にこの店で良いのか。
この通りの他の店は、店員が表に出て客引きをしているのだが、ここはホントに愛想も無く、店に入ったYajio達は、どうすればいいの?状態。
店内は真ん中の通路を挟んで両側にテーブル席、間口は狭いが奥行きはあるようだが、結構混んでいる。店の女性に声をかけると、奥に入れと言うので、言われるままずっと奥まで進むと二階に通じる階段があった。
普通、二階席の階段は入口近くかもっと、それらしく目立つところにありそうなものだが、ここはソウルだそんな常識は通用しない。実際Yajioはこれ以上奥は、厨房か、トイレなんじゃないの?と思ったほどだった。
初めていった日本人は1階が満員だったら帰っちゃうんじゃないの。日本人なんか相手にしなくとも充分儲かってんのかもしれないが、モウチョット商売気をだそうぜ!。
二階席は全てオンドルでかなり広く、明るい。冬は暖かくて良いだろうが、なんだって、こんな極端な事するのか。1階と2階、値段も違うのかと思ってしまう。とにかくこれで、カンジャンケジャンを食べれる。まずは、サンナクチとビールに真露、そしてカンジャンケャンとご飯を注文した。
暫くして料理が運ばれてくる、何時もの通りの韓国スタイル、テーブルいっぱいにお皿が並ぶ。そしていよいよカンジャンケジャンを食べる。
『美味い!』とろ~っとして甘味があって、醤油のさっぱりしたタレ。それに辛くないから、どんどん食べられる。そしてかに味噌これも濃厚で最高に美味い。
しかし!何時ものように食べ続けると飽きる。1人前で大き目の蟹が、二杯出てくる。Yajioはこれ一杯でもうたくさんだった。
でもカンジャンケジャンは本当に最高に美味い。よく考えたらYajioは、うに、大トロ、アンキモ、フォアグラ等こってりした物は好きなんだけれど、そんなに沢山食べられないのだ。
カンジャンケジャンはそこまで、しつこくは無いが、とろっと甘味があって日本人好みの味だと思う。
そして最後に味噌のたっぷり入った甲羅にご飯を入れて食べる混ぜご飯は最高に美味かった。蟹はもうたくさんだったが、これは幾らでも食べられそうだった。
この日、Yajio達が行った時間は夜の11時過ぎだったが、店はソウルの若い人達のグループが多かった。ソウルのアガシはとても器用に渡り蟹のあの細いつめの先まできれいにたいらげていた。
もちろん蟹甲羅ご飯もガンガン食っていた。ソウルパワーはこんな店でも爆発している。
ちなみに料金は(カンジャンケジャン(二杯)、サンナクチ、ご飯各1人前、真露、ビール各2本)6000円ぐらい。
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